私の大好きな群馬県の温泉と旅館の紹介

群馬県の地から広島県に引っ越しをするまで5年を残すところとなり、大好きな群馬県の温泉旅館に毎月1回宿泊することにしました。それまでにも年2回、新緑と紅葉の時期に温泉旅行をしていました。その体験から先ずどんな温泉と旅館が良いのか三つの条件を設定することにしました。

その条件は、
1.自然湧出の100%源泉かけ流しで泉質に特徴があること。
2.宿泊代が安価、できれば一泊二食で1万円程度であること。
3.規模の小さい旅館、部屋数が10室程度であること。

もっとも大切なのは条件1だと考えていましたので、先ず最初に温泉地の選定をしました。条件1はほぼ温泉地によって決まってしまうからです。規模の小さい旅館を条件3に挙げた理由も、条件1を満たせる旅館は部屋数が少ないからです。そこで温泉地は、草津温泉、万座温泉、七味温泉(長野県ですが群馬県との県境)にしました。今回はこの3ヶ所の温泉と旅館を紹介します。紹介させて頂きます温泉旅館は、何れも20回以上宿泊し大変お世話になりました。「本当にありがとうございました。温泉の質、おもてなし、季節感溢れる自然の風景、全て素晴らしかったです」


草津温泉と旅館の紹介

先ず草津温泉を紹介します。有名な温泉地なので在り来たりの観光地をイメージしていましたが、初めての訪問で温泉に浸かりそのイメージが払拭されました。「PH2強酸性の温泉」程度の知識でしたが、温まった体が長い時間継続していて泉質の良さに気付きました。それまで「自然湧出の100%源泉かけ流し」を意識して温泉に浸かったことはありませんでしたが、檜の湯船から常時流れ出る湯の美しさに見惚れつつ贅沢なひと時を味わうことができました。更に加えて得た重要な情報が「数多くの自家源泉と町が管理する湧出量の豊富な源泉が6ヶ所ある」ことでした。湯畑源泉は余りに有名なので知っていましたが、その他の源泉は全く知りませんでした。私はその情報を得た時、6ヶ所の源泉すべてに浸かってみたいと思いました。何れの源泉も共同浴場を利用する手がありますが、私がお薦めしたいのは「和風村」です。これは老舗旅館15ヶ所の内湯に立ち寄り湯ができるというものです。なぜお薦めかと言いますと、少ない負担で老舗旅館の由緒ある内湯に浸かれるから、宿泊客がチェックインする前の時間帯で少人数で寛げるからです。宿泊した旅館で「通行手形」千円を購入すれば、各旅館の内湯に一回七百円で入浴できるので、私はそれを利用しました。10ヶ所の温泉に浸かってみましたが、源泉により泉質が異なるのは当然として、同じ源泉でも旅館により若干泉質が異なる点に気付きました。自分の好みに合った泉質を探す楽しみもあるわけです。

和風村のURLは、http://www.kusatsu.info/wahu/top.html です。

山本館から撮影した草津温泉の湯畑

今回紹介する草津温泉の老舗旅館は山本館です。2007年10月から毎年2~3回宿泊しました。5月新緑の季節と10月紅葉の季節には必ず宿泊しました。紅葉の時期が年によりずれたとしても、標高1000~2000mに位置する軽井沢~草津温泉~万座温泉に至るルートのどこかで紅葉を楽しめます。山本館は文部科学省から登録有形文化財に認定されている通り、建物の外観からしてこれぞ草津温泉老舗旅館の佇まいです。源泉は私の大好きな白幡の湯で、薄白で上品な硫黄の香りが特徴です。湯船に入ると、檜の枠から溢れ出て流れて行く湯の美しさと贅沢感は最高です。私は一日目三回、二日目二回、必ず温泉に浸かって楽しみます。食事を初めおもてなしも最高です。さすがにこれで一泊二食1万円は無理ですが、平日であれば部屋によっては一泊二食で1万7千円で宿泊できます。リピーターは1年間有効の10%割引券を頂いていましたので、リーズナブルな料金でした。私は広島県に引っ越ししましたので、中々遠くて行けませんが、いつの日かまたお邪魔したいと思っています。

山本館のURLは、http://yamamotokan.com/index.html です。


万座温泉と旅館の紹介

万座温泉の湯畑

「由緒ある歴史と文化を感じさせる内風呂」が草津温泉でしたが、「季節感溢れる自然の中での露天風呂」がこれから紹介する万座温泉です。2007年から新緑と紅葉の季節には必ず草津温泉と合わせて二泊三日の温泉旅行を楽しみました。泉質は強酸性PH3の硫黄泉で、白濁した甘い硫黄の香りがするトロッとした感触の湯です。硫黄の濃度が非常に高いのが特徴で、日本一高いらしく二位の月岡温泉の二倍だそうです。なので、湯治場としての名残が今でも見れます。私が立ち寄り湯でよく利用した湯の花旅館は、湯治場として1ヶ月滞在される方もいらっしゃる様です。立ち寄り湯をしたある時、湯治客の方と一緒に温泉に浸かっていると、「どこが悪いのですか?」と聞かれました。また熊谷から来られた方でしたが、「自分は前立腺がんで余命宣告されているのです。ここで1ヶ月湯治し毎日コップ1杯の温泉を飲んだ所、検査の数値が改善し医者が驚いたんですよ。それ以来、年2回2年間湯治を続けていて、未だ生きているんですよ」と話しておられました。湯治をしていない時は、時々立ち寄り湯に来て、ポリ容器に温泉を入れて持ち帰り飲んでいるそうです。その事をご主人に話すと、「サルノコシカケと松の実の効能ではないか、癌よりも糖尿病に効くんです」と仰いました。1週間毎日コップ1杯の温泉を飲んだ中野から来た湯治客が、「血糖値が改善し医者が驚いた」と言って、診断結果を見せてくれたそうです。確かに、湯の温度を調整するための桝に立派なサルノコシカケと松の実が入れてありました。私も一回だけコップ半分飲んでみましたが、強酸性なので味はホットレモンでした。

雪深い冬はバス乗り場まで車で送迎して頂くのですが、車を玄関につけることができないぐらい雪が深々と降り続き、スノーモービルで駐車場まで送って頂いたのは良い思い出です。雪の露天風呂も最高でした。

湯の花旅館のURLは、
http://www.rs-web.jp/~isawaka/yunohana/index.html です。


七味温泉と旅館の紹介

七味温泉 紅葉館

須坂から高山温泉郷に上る県道から七味温泉の案内がある細い脇道を降りて行くと、紅葉の中に引き込まれて行き、まるで別世界に来た感覚がありました。これから紹介する七味温泉紅葉館はそんな所にあり、名前の通り紅葉と渓流を眺めながら浸かる露天風呂は最高です。脱衣場から内湯を経由し露天風呂に出た途端、エメラルドグリーンの湯色に感動しました。泉質はアルカリ性の硫黄泉でほのかな硫黄の香りがとても心地良く、アロマテラピーを楽しんでいる様な感覚です。その泉質、新緑や紅葉、渓谷の音が奏でるハーモニーは心身を癒してくれます。露天風呂の石の上に腰掛け周りの季節感を楽しみながら何度も温泉に浸かっていると、一時間近く時間が経つこともあります。食事は岩魚の刺身と焼き魚、リンゴのグラタン、多品種の茸、根曲がり竹など土地の美味しいものが食せます。フォアグラの茶わん蒸しも珍しく、とても美味しかったです。この内容で、一泊二食1万円~1万5千円(時期と曜日により異なります)はとてもリーズナブルだと思います。

紅葉館のURLは、以下です。
https://www.mountaintrad.co.jp/~koyokan/
https://www.mountaintrad.co.jp/nagano/scm/koyokan/data.html