資産運用と生活資金計画

定年退職後の生活を気にし始めたのは、50歳を過ぎた頃からではないかと思います。会社から年金説明会の案内が届いたり、役職離任後の選択肢の説明を受ければ自ずと気になります。特に「今の資産と将来受け取る年金でゆとりある生活ができるのか」と言う事は、もっとも関心のあるテーマです。そこで今回は、人生をまっとうするまでの「資産運用と生活資金計画」、その目標予算を着実に達成するための「具体的な運用管理方法」について実践してきた事を振り返りたいと思います。

1.資産運用と生活資金計画
日本人の平均寿命から考えると、95歳ぐらいまでを想定した生活資金計画が必要だと仰る識者の方が多い様です。そこで私は54歳からExcelで「資産運用と生活資金計画ー最適なポートフォリオと90歳までの資金繰りー」を作成し、年初に見直しをしてきました。これは企業の財務三諸表(PL/BS/C)の様なもので、これを眺めながら問題点の分析と対策を考えることが可能です。
私はここに至るまで、おおいに役立てる事ができましたので、Excelファイルを添付し紹介します。データを変えてシミュレーションすると、どこをどう対策すれば良いのかも見えてきます。ここでは総務省や厚生労働省のデータを基にモデルケースを設定し、データを入力してみました。このモデルケースでは何とかなりそうに見えますが、少しゆとりある生活を望むのであれば、公的年金(基礎年金+厚生年金)だけでは不十分で、企業年金などの必要性が理解できます。

資産運用と生活資金計画_20171218

【Excelシートの概要】
・04~21行目が、企業の貸借対照表に当たります。
・負債がゼロで、資産は資本だけと考えます。
・23~33行目が、企業の損益計算書に当たります。
・33行目の年度フロー計が、その年の取り崩し(赤字)です。
・35~37行目が、取り崩しの結果、翌年の資産となります。
・生活資金の赤字は、退職金から取り崩しを始めます。
・流動資産は、ネット証券で売買できる商品を並べています。

【設定したモデルケース】
・60歳定年退職後は、65歳まで再雇用による収入で生活する。
・夫婦とも65歳から無収入となり、年金暮らしを想定する。
・退職一時金は、厚生労働省の調査を参考に2,000万円とする。
・夫婦の公的年金は、厚生労働省の発表を参考に月22万円とする。
・インフレ率と運用金利0%、年金のスライド調整率0%と想定する。
・金融資産は、厚生労働省の調査を参考に2,000万円とする。
・住宅ローンは定年退職するまでに返済したものとする。
・生活費は総務省の調査+10%で、年330万円とする。
・介護などのため、90歳で1,000万円以上残すと想定する。

【設定したモデルケースにおける注意事項】
・税+保険を含め年330万円の生活費は、かなり厳しい実感です。
・そのため、企業年金などの必要性を強く感じています。

2.具体的な運用管理方法
私はExcelの2シート目の様に、毎年の運用管理をしています。